感性を磨く2016/03/05

 今年の目標は、楮栽培の技術を向上させることと、継ぎ紙作家を目指すことです。
 継ぎ紙作家となるためには、感性をもっと磨かなければならないと思い、出不精ですがいろんなものを鑑賞しようと実行しています。2月15日からまとめていたら結構行っています。こんなに一度に取り込んで、消化(昇華)できているか心配ですが、短期間に充実の時間がぎゅっと詰まっています。

2月15日 古谷宣幸 アンダーソンランチ窯作陶展
 以前来た時とビルの様子が変わっていたので立ち寄ってみました。5年位前には変わっていたようです。知らなかったなあ。アメリカの土で作った陶器が日本の土を使ったのとでは異なる色となるのに驚きました。黄色が印象的。器を扱っているところでもあったので、浄法寺町で漆かきをしながら漆器を作っている方のお椀を購入しました。原料から関わっているところに惹かれました。

2月17日 志村ふくみ展
 植物染めの美しさと自然に身を置いて制作する姿勢に感激しました。植物染めの本を購入。これから和紙を植物で染めていきたいと思う。
志村ふくみ展

2月22日 和紙素材の研究展Ⅲ 
 東京まで出かけました。せっかく行くのだからと、東京駅近くの美術館にも行こうと張り切っていったのですが、なんと月曜日。新幹線の中で行けるところはないか探していたら、高島屋でピカソ展をしているのを発見。よかった。東京駅から高島屋まで歩く途中見つけた金券ショップで、チケットを半額で購入できたのでラッキーでした。
 和紙素材の研究展には15時過ぎに到着。ギャラリートークが始まるまでゆっくり鑑賞。毎年いろんな産地に行かれているうえ、研究室で和紙作成もしており、素材のことをわかって作品制作をしているので、表現に深みがあるように思いました。
 豊田市和紙のふるさと館館長さんとも知り合え、楮の手入れのお話がいろいろできました。自分の作った楮も持っていっていたので、見ていただくこともできました。これだけでも行った甲斐がりましたが、展示されていた截金細工作品に私が興味を持ったことがきっかけで、截金作家の方と知り会えました。ずうずうしくも私が持って行っていた継ぎ紙作品も見ていただきました。あっという間にギャラリーの終了時間になってしまい、私までみなさまと夕食を共にさせていただきました。
小津ギャラリー

いただいた資料
いただいた資料です。和紙旅行ノートは参考になります。

2月24日 風工房 工房展 
 以前知り合った染めをされている方が、左京区にある工房で工房展をされていたので、寒い日でしたが思い切ってでかけました。初めて行く場所だったので迷いそうになりながらも何とか到着着。 
 311以降、それまで30年以上されていた化学染料での染めを止め、植物染めに完全に切り替えたとお聞きしました。今も試行錯誤で染められているとおっしゃっていましたが、自らの行動を見つめ変えられたことに圧倒されます。被災地にも行かれているとのことで、釜石小学校の卒業式へ参列することをお伝えしたら、釜石へ行くのだったらぜひ会って欲しいと紹介していただきました。また、秋田のギャラリーでも展示をされることがあるとお聞きし、まだ行ったことはないけれど、気になっていたギャラリーでされていてびっくりしました。秋田に戻っている時と重なったらぜひ行きたいと思います。母のお土産に木綿のスカーフを購入。また、染色用の桜の枝も分けていただきました。
 工房の近くに金戒光明寺があり、まだ行ったことがなかったので立ち寄ってみました。観光客もほとんどいなく、ゆっくり静かな中で鑑賞できました。
木綿のスカーフ
母に購入した木綿のスカーフ。

2月25日 茶粥の会
 継ぎ紙仲間の紹介で奈良の茶粥の会に参加しました。茶粥の作り方など丁寧に説明していただきました。今では奈良でも家庭ではほとんど作られなくなっているようです。ほうじ茶で炊く茶粥。美味しかったです。レシピや茶粥キットもいただいたので、自分でも作ってみようと思います。
茶粥の会

2月26日 照らす光と照らされるもの
 柴崎幸次愛知県立芸術大学教授と截金作家鈴木美賀子氏との作品展です。1月2日から開催されていたにもかかわらず、小津ギャラリーでご本人達に会って初めて知りました。共通の友人がフェイスブックで情報を発信していたのに、全く気にとめることができなかったのは、私が受け入れる用意ができていなかったためでしょうか。
 25日のギャラリートークに参加できたらよかったのですが、予定をすでに入れていたため残念ながら参加できませんでしたが、26日も鈴木美賀子さんが私のために時間を作っていただき、作品の説明をじっくり聞くことができました。翌日には搬出のため東京に行かれるというのに、本当にありがたかったです。截金と継ぎ紙、平安時代から続く工芸をしていることで親近感を持っていただき、いろんなお話ができました。
 柴崎先生の作品も素晴らしく、光を通すと立体的に見えることが不思議でした。和紙と灯りと金箔の表情が作り出すなんともいえない世界を体感することができて、思い切って行ってよかったです。
 雁皮の黒皮を使って染めた紙もも使っているとお聞きし、楮の黒皮で染めてみようかなといろんな刺激を受けました。
タペストリーと照明
金箔は光の受ける加減で、輝き方が異なるのが綺麗だなあ。

古川美術館


3月4日 BOROの美学
 かつての日本の農村で、貴重な布を継ぎはぎして着ていたボロ。今ではBOROとして世界で通用する言葉となり、ファッション界でも注目を集めているようです。
 最新ファッションに応用されている作品もありましが、私には農村で作られたぼろのほうが美しく感じました。貴重な布を最後まで活かし使う姿勢が、そう思わせるのだろうか。継ぎ紙も貴重な紙を最後まで使いきろうとして生まれたものですが、そこに共通点があり面白いなあと思いました。
 服が捨てられず、縫い代をほどいて布の状態にして活用しています。ぼろを生み出した農村の女性たちにはかないませんが、できるだけ布を最後まで使いきろうと努力しています。
神戸ファッション美術館
隣の美術館で開催されていた猫まみれ展にも行きした。猫がいっぱい、にゃんとも楽しい展示でした。