平安の心2016/05/01

 「日本の美術」を読み、関連の本を市立図書館で探している途中で見つけた本があります。白畑よしさんと志村ふくみさんの対談をまとめた「心葉(こころば)」という本です。「日本の美術」に白畑よしさんの文献が引用されていましたので予約し借りました。

 今は便利になったもので、自宅にいながら市立図書館の蔵書検索が簡単にでき、借出予約ができ近くの図書館で受け取ることができます。検索も書名だけでなく、著者名などからもできるので、気になったものはとりあえず予約しています。思いがけない本に出会うことがあります。

 今回の本も思いがけない出会いでした。
 志村むくみさんは草木染の染織家、白畑よしさんは日本美術史を専攻され、主に平安、鎌倉時代の絵画史を研究され、東京国立博物館や京都国立博物館に勤務されていた方です。
 志村さんは白畑さんの書かれた「平安王朝文化の美」を読んで以来、日本人として究極の美の世界はと問われれば平安文化と答、えるように思うになったそうです。本願寺本三十六人家集や平家納経などの繊細優美な装飾性は、単に権力と富と余暇を持って生まれた装飾ということだけではなく、彼らの世界観そのものを表現しているようで、その頃の仏教に影響された宇宙観の表現でもあるようです。

 平安時代に生まれた継ぎ紙を極めようとするのであれば、平安の世界観、宇宙観を理解しなければならいのかあ。
 
 この本の対談は白畑さんが90歳頃、志村さんが70歳頃に行われており、志村さんが白畑さんから、「志村さん、歌ごごろですよ、大和ごころは」「まだ20年、あなた、20年ありますよ、ご勉強なさいまし」といわれ、心が湧くと書かれていました。私には後40年近くある、覚えることが増えるばかりと泣き言は言っていられないと背筋が伸びました。

 図書館で借りて手元に置きたいと思い、古本で探していたら、なんと500円で販売しているのを見つけました。送料を入れても757円。2,781円の本でしたので即購入いたしました。
表紙
人しれぬわが心葉にあらねども かきあつめても物をこそ思へ  和泉式部